金八先生の隣のクラス

今どき
進学情報

質問〜訊く前にまず自分で努力を〜


ずいぶん前になるが、山の手線で渋谷から池袋へ向かった。お昼前の時間だったので車内はがら空きでゆっくり座って文庫本をひろげた。新宿から品のいい母親と幼稚園に入るか入らないくらいの男の子が乗ってきてすぐ近くに座った。
さっそく、「ママ、なんでデンシャって言うの?」「電気で走るからよ」と微笑ましいやりとりが始まった。そのうち、ひときわ大きな声で「ねぇ、ママ、ボクさジュース飲んでも牛乳飲んでも同じ色のオシッコ出るんだけど、どおして?」周囲が静かになった。わたしの目も本の上で泳いでいた。母親の答えに皆興味津々だったのだろう。そんな空気を察してか「もう静かにしましょ」といって、小さな絵本を渡した。
道を歩いていて、聞こえていたピアノの音が妙なところで途切れたようで、頼むからあと一音弾いてよといった感じだった。せめて「お腹の中で体に良いものがとられるからよ」ぐらいは言ってほしかった。

こんな一対一の場合はいいが授業では困る。授業を受け持つクラスでは最初の時間に「質問は勝手にしないこと」と必ず念をおした。質問の時間はつくるからその時にするように言った。説明の途中で質問されて、そのつど答えていたら、その子も含めて全員が混乱するし、自分で考えることをしなくなるからだ。
親子の会話ではないのだから教師に質問するにも、それなりのマナーがある。まず自分でよく考えることだ、考え抜いて分からない点をはっきりさせてから質問するのが礼儀である。どんなことでも苦労してから得たものは必ず身に着くことを生徒にわからせておくことも大切である。

とはいうものの、自分のこととなるとそうはいかない。特に、パソコンの操作が分からないときなど、自力で考えることもなく、すぐそばにいる人に「これ教えてよ」と言ってしまう。仕事の途中で訊かれた方の迷惑も十分分かるのだが、歳のせいで、時間をうっかり空けると、分からないことが何だったのか分からなくなるのでご容赦願いたい。

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