金八先生の隣のクラス

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板書〜黒板の向こう側には親がいる〜


黒板に文字を書くのが板書である。教師は黒板に向かう学生生活から、黒板に背を向ける生活に変わっただけだともいえる。だから、「世間知らずで、勉強バカが多い」と非難される。

たしかに、新卒で一般会社に入社すれば幸い研修が待っているが、教師になれば先生とよばれ、教室にいけば一国一城の主である。かん違いして尊大になるバカ教師が生まれるのもわかる。ただ幸いに私の周りには極めて常識的な人ばかりでその類の先生はいなかった。どんなことにも必ず例外はあるものだが、教師と呼ばれる人には世間知らずの人物が多すぎるように思う。

友人であるI君も教員になった。伊豆半島の先端の蓮台寺の男で夏にはよく泊めさせてもらった。彼は地元のさらに海沿いの中学校に赴任した。教員数の少ない学校で、専門は国語だったが英語と美術も受け持ったそうだ。さぞ生徒も迷惑なことだったろうと思う。授業中に板書してノートをとらせていたら、自分が書いた字に一つ間違いを見つけ、とっさに「先生はわざと漢字を間違えておいたが、わかる人いますか?」と言ったら、さっそく「険の字は、この場合、検です」と一人が答えた。「よーし、よくわかった」と余裕を見せたら、さらに「○はハネてはだめです」「△は出ないとだめです」と果てしなく続き、収拾がつかなくなったそうだ。他人ごととは思えず、ぎこちなく笑うしかなかった。

塾に教えに行って分かったことだが、親からクレームが来る先生は、概して板書がひどかった。親とすれば、わが子の塾での学習の様子はノートを通してしか知ることができないだろうからわかる気もする。

板書を苦手にする先生はコミュニケーションを優先するあまり生徒に背を向けることを嫌い、書く字が乱れる場合が多い。教師は常に、黒板の向こう側には怖い保護者の目があることを意識して、ムダのないまとまった板書を心がけなければならない。

これも教師を引退したから言えることかもしれない。

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