金八先生の隣のクラス

今どき
進学情報

カエル〜胸に「つ」のある懐かしいヤツ〜


ちょうど二十年前になる。校外学習で筑波山に登った。「がまの油」の売り口上で有名なだけあって、カエルの置物がどのお土産屋さんにもたくさん売っていた。どのカエルも小さなカエルが背中に乗っている。

お金などを使っても「連れ帰る」という縁起物らしい。カエルを庭石の上に乗せたら可愛いだろうと買うことにした。どうせなら一匹だけの方が絵になると思ったがどの店にも売ってない。きょろきょろしている私を生徒が見て「どうしたんですか?」と訊くから「一匹だけのカエルを探している」と言ったら、親切にあちこち歩いて見つけてくれた。大きさも姿もよく、胸に「つ」と書いてある。多分、つくば山の「つ」だ。気に入って、塾仲間の土産分と合わせて七匹買った。

数日後、昭和天皇が崩御され大喪の例を前にした厳しい警備のなかを、御所に近い信濃町駅で降りた。友人の待つ改札口に急ぎ足で向かうと機動隊員につかまった。どう見たって過激派に間違われるはずはないと思ったが、カバンが先日買った六匹のカエルで妙に膨らんでいたのだ。その日仲間に渡そうと持ってきたのだ。

「カバンの中を見せてください」というから、「私が過激派に見えますか?」と言ったら「私たちも仕事ですから」と言う。しかたなくカバンのチャックを開けると、カエルの入った包みを見て、「それ何ですか?」ときた。「カエル!」と言ったら、バカにされたと思ったのか、きつい口調で「見せてください!」と叫んだ。奇妙に膨らんだ袋を開き、一個ずつ包んである一つを破って「ほら!」とカエルを見せたら、唖然として、「立派なカエルですね」と敬礼した。

改札口で一部始終を見ていた友人が、解放された私に「カエルなんか見せてどうしたんですか」と大笑いしながら話かけてきた。彼の分もあったがシャクにさわったからやらなかった。

校外学習があると必ず思い出す出来事になった。胸の「つ」が印象的なカエルは庭のどこかにまだいるはずだ。

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